2005/03/31
いつまで「活字」というのだろう
活字。狭義には、活版印刷の際に文字の図形を対象(特に紙)に印字するもので、木や金属に字形を刻み、それにインクをつけて何度も印刷できるようにしたものを言う。また、単に印刷物にすることを「活字にする」とも言うように、印刷やコンピュータ画面による同じ字形の文字を再利用可能なものを指していうこともある。
活版印刷も金属活字も今では廃れてしまい、実際に稼働している現場はごくわずかです。ほとんどの場合、文字の形を表現するためには「プログラムとしてのフォント」を用いているケースが大半です。DTPであっても電算写植であっても。
でも未だに「印刷された文字」の表現として「活字」という言葉が代名詞としてたびたび用いられているのは、個人的にはかなり違和感を感じて、聞くたびに体がむずむずします。そういう感覚に襲われるのもどうかという話でもありますが。
今なら「書体」「フォント」のいずれかの方が実状に即しているというべきかもしれません。個人的には「書体」ですが。でも「活字」はその語源が消えても、独立した単語としては残りそうです。
問題は金属活字などを知らない人にどうやって「活字」を説明するか。そういう意味では使い分けた方が良いような気もするんですけど。
今の現役デザイナーやDTPオペレーターでも、本物の活字や写植文字盤を、写真ですら見たこと無い人もいるんだろうなあ。いちおうここのプロフィールに活字の画像を載せてはいるけれども。
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