2008/11/27
Adobe自身の、PDFに関する啓蒙活動が足りない
最近そのように思うことがしばしばあったりします。PDF絡みの、特にフィルム/CTPへの出力に関するトラブルについて、最近さまざまなトラブルがたまたま周りで発生していたりするせいもあるんですが、どうもそれについて「Adobeの啓蒙活動、ぜったい足りんよな」と思ったりするわけで。
「個人的見解の立場でAdobeに直で伝える機会」を失ってしまったので、とりあえず悔し紛れにここに殴り書きをしてみたりする。
ある意味どうでもいいことや、役立つかどうかもわからないような中身を、日々脳内から適当に垂れ流しまくりつつ、今日をなんとか生き存えることを思案してます。
2008/11/27
「個人的見解の立場でAdobeに直で伝える機会」を失ってしまったので、とりあえず悔し紛れにここに殴り書きをしてみたりする。
Adobe Acrobatと業界標準
アドビパブリッシングソフトウェア関連資料
前者ではISOや業界別等に策定された規格の紹介が、後者では現時点で4つの資料がPDFとして掲載されてます(直リンクは割愛)。
足りません。
何が足りないのかというと「実はPDFというフォーマットには、一見わからないけれども、作り方によってさまざまな種類が生まれ、また結果が異なる場合があるんだよ」という、ものすごく初歩中の初歩ながらも重要な情報がないんです。
特に印刷業界に対して、「Adobe製品であっても、作り方によって何種類ものPDFがあるので、それによってその後の処理が種類によってうまくいかないことがある」という点について触れられていないのは、実は致命的だったりします。
どのような問題が起きるのかというと、
2.3.4.についてはPDFそのものではなく外的要因ともいえますが、1.と絡んだ時に発生する確率が高くなる、ともいえるものになっています。
作り方の違いというのは、Adobeアプリの場合は単純に2種類に分けることができ、「一旦PostScriptで記述し、DistillerでPDF生成する」「アプリから直接PDFを出力(保存)する(PostScriptを経由しない)」というもの。非純正PDF生成エンジンまで考えた場合は、その数だけ出てくることになるけれども。
どのような手順を踏んだとしても、生成されたPDF自体はAcrobatで見る限りは同一にしか見えません。しかも、同じ規格(PDF/X-1aなど)である限りはプリフライト機能を使ってチェックを行っても特に問題なく通ります。
しかし、保持する情報・データ構造自体が異なるため、「PDFラスタライザたるAcrobatでは一見正常であっても、その後処理されるPostScriptラスタライザや(面付け処理などで使用される)PDF解析エンジンでは正常に処理できるとは限らない」という、非常に大きな問題が発生することになります。
しかも、そういう時に限って、たいていは最終出力の切羽詰まった状況下、だったりします。なんてことだ。
「Acrobatから直接出力すればきちんと見たままの状態で間違いなく出てくる」のであればと思ったりもしますが、それだけで完了するケースはむしろ少ないはず。ページ物であれば面付けがありますし、そうでなくとも大貼り・丁付けは当たり前のように行われるはず。なので、必ずワンクッションは通る道。それらについてはワークフローRIPとして内部で処理される場合でも基本的には同様です。
しかし、PostScriptを経由しないPDFの場合はその「ワンクッションとの相性」がどうもよろしくないようで。
面付け自体できない、だったらまだいいです。むしろ厄介なのは「一見正常に出来ているように見えるけれども出力してみると所々おかしな結果になってしまっている。でもそれが分かったのは納品したあと→後の祭り」という状況。
ていうかね、なにもかもAdobeアプリの中で完結するならそれでいいと思うんだけれども、最終出力に絡むところではそうはいかないので、そういう意味では信頼される情報を出して欲しいものです。
単純にフォーマットを公開するだけではなく、PDFを開発したオピニオンリーダーとして、業界内で提携や相互チェックなどを行うことで互換性を高めたり、問題点をきちんと提示することは大事だと思うのですよ。
ちなみに、欲しい情報はこんなところではないかとということで適当にピックアップをば。
DSSはともかく、あとはAdobeから見たらクライアントだったり一個人だったりするんだが、そんなことでいいのかなと真面目に思ったりして。
てことでなにも考えずに書き殴ったら長くなった。
コメント