そのまえにおことわり。
自分でデータ作ってやっていますが、やってる方がワケわからなくなってきました(ぉ
なので、「これ絶対こんな風に消える・化ける」ではなく「これらが起きるかもしれん」程度に考えたうえで見てください。といっても起きたら厄介な話なのは事実なんですが。
そのうえで、まず大枠の結論から書いておきます。
Illustrator 10以前のデータをIllustrator CS以降の「更新」で開くと、
所謂、JIS区点コードの「13区」は文字化けまたは消失するおそれがある。
「13区」というのは、所謂「機種依存文字」の領域です。もともとMac(90pv)とAdobe83JIS(83pv)・Windows(90ms)の双方文字セット群で互換のない領域。これについては、最近NAOIさんがまとめられてましたので、それをご覧になったほうがわかりやすいと思います。
83pvと90pvの違い
Macの外字の歴史を整理してみる
(ともに Mac OS Xの文字コード問題に関するメモ)
そのうえで、まずはこのようなデータを用意しました。

ひとつの画像としてまとめていますが、左からそれぞれ以下の通りです。
- Illustrator 8.0 CIDフォント
- Illustrator 9.0 OpenType+CIDフォント
- Illustrator 10.0 OpenType+CIDフォント
で、それをIllustrator CS~CS4で開いた結果は、以下の通りです。
■Illustrator 8.0 to CS1-4 / Mac

■Illustrator 9.0 to CS1-4 / Mac

■Illustrator 10.0 to CS1-4 / Mac

ということで、Mac to Macで開いた結果としては以下です。
- CIDフォント:CS3/4で化ける
- OTFフォント:CS1/2および3/4で化ける
ということで、Adobe Forumでの話はこのCIDフォント使用時の話ではないかと思われます。つまり、「使用フォントフォーマットと開くバージョンによって影響がある」、ということになり、同じプラットフォームだからといって油断ができない状態がこちらです。
また、NAOIさん資料と比較した場合、90pv/83pvの違いに近い状態ではあるものの、それとも同じ化け方をしていないところがややこしいです。
ちなみに、Windows版のCS-CS4で開いたらどうなるか、は以下です。
■Illustrator 8.0 to CS1-4 / Win

■Illustrator 9.0 to CS1-4 / Win

■Illustrator 10.0 to CS1-4 / Win

Mac to Winの場合、Mac to Macで開いた結果と多少異なります。
- フォント種類に限らず、CS3/4で開いた場合のみ化ける
[KYS-LAB]さんで開いたのはこちらのパターンのようなので、これがCS1/2であれば発覚しなかったという厭らしい状態だったりするわけです。
いずれにしても、もともとCS以前のデータをCS以降で開く場合には、開いた結果は元と同じでないことが前提でもあるため、開いた場合でも綿密なチェック(できれば元のネイティブバージョンでの出力との比較)を行うしかない、というのが結論になりそうです。
過去資産の流用した場合もかなりめんどくさいことになって、パーツ流用以外は作り直しになりそうだ、という話でもあるけれども。
ちなみに更新しないはしないで、以前に起こしたエントリのようなことが起きかねないので、結局は
どうしようもないことに。
Illustrator CS3+CS4なマシンは気をつけれ
なお、字形が消失している場合でも文字コード自体は残っているようです。
なので、JavaScript等で検索置換処理できなくもないんでしょうけれども、Mac上のCS1/CS2でCID/OTFを混在利用している場合は正常/文字化けが混在しているため、一括での処理はむしろトラブルを招く危険性が生じます。
結局、完全な解決方法は「目視確認」か「フォント情報まで見ながら置換処理するようなツールを作る」のどちらかになりそうです。それでも完全と言い切れないところなので、人力頼みのみが解決方法なのかもしれません。
※念のため記載しておきますが、もともとはWindowsで作成したデータから派生させているので、それぞれ個別で作ってはいません。なので一部変な所もありますがご容赦ください。
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