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なんだかゲーム機の様相を見せてきた

シャープが次世代電子書籍事業、タブレット端末も提供【ケータイWatch】

まあ、XMDFという、国内では安定したプラットフォームを持つ身としては、現在の勢いに乗って専用ハードウェアも出すというのはある意味当たり前かも。
しかしなんだか、一時期あったゲーム機戦争のような様相になってきた気がしないでもない。

ここでもうひとつ気になるのは、趣旨賛同したとして名を挙げられた企業や団体。

企業ごとに次世代XMDFへ対応するかどうか、検討中のところもあるとしながらも、「趣旨に賛同した企業」として発表会で示された企業は大日本印刷、凸版印刷、ビットウェイ、モバイルブック・ジェーピー、毎日新聞社、日本経済新聞社、西日本新聞社、ダイヤモンド、日経BP、プレジデント、東洋経済新報社と新聞や雑誌、出版、電子書籍の主要企業が含まれる。出版社については、業界団体である日本電子書籍出版社協会から次世代XMDFへの期待を示すコメントが寄せられたが、通信企業については明らかにされていない。



……次世代ゲーム機などについても開発機材を優先して回してもらったりするために、発表されたらとりあえず挙手しておきましょう的なメーカーがぽつぽつ出てくるといった感があるんですが、これについても構図としてはなんだかソックリなところがあるような気がしてきたり。

まあ、ソフトウェアベンダーとしては、売上に繋がるプラットフォーム・ハードウェアなどの利用チャンスがあるなら、その機会を逃すまいとするのはごく自然なことだろうと思うのでおかしくはないけれども。もっとも、すぐに飛びついて出すかどうかはまた別で、ある意味様子見的なところもあるんだろうな、と。



今回の場合、以下のようなことも述べられてはいるものの。

紙媒体向けに作成されたDTPデータを自動的にXMDFへ変換する仕組みを整え、紙書籍の発行と同時に電子書籍を発行できるようにする。対応するDTPツールとして、20日の発表会では「InDesign」(アドビ製)の名が挙げられ、「紙と電子のサイマル配信が可能」と紹介された。配信システムでは、自動定期配信機能が用意され、新聞のように毎日更新/購読する媒体に適した環境を整えた。また1つのデータから、携帯電話やスマートフォン、タブレット端末、テレビなど、複数の機器で利用できるデータを生成、レイアウトを最適化する「ワンソースマルチユース」も特徴という。

……さて、どこまで額面通りに受け止めて良いのやら、と思ったり思わなかったり。
ついでにいうとInDesignデータじゃ、過去資産のごく一部でしかないんですけれども、より膨大かもしれない電算写植データまで変換対象にする大手プラットフォーム・ソリューションはいつになったら出てくるのかなー、というのが個人的興味だったりします。むしろそれらハードが動くうちになにかしらの対策打たなきゃどうしようもないはずなんだけれども。
ゲームソフトのほうは、ROMカートリッジひとつが完動状態で残っていて、かつI/Fが比較的汎用パーツで対応できるならば吸い出すことができるので、ある意味どうとでもならなくもないけれども、出版・印刷データはそうはいかない点がゲーム機とは大きく違うところ。最悪テキストデータ起こせばいいけれども、それも手間暇とミスが起きる可能性などリスクがちょっと大きいわけで。はてさて。



関連エントリ:アプリタイプの電子書籍はデータタイプよりも寿命が短い説

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