2010/08/06
去年までの各数値をグラフに表す(3)
誰も期待してないのは承知しつつ、続ける。別に誰かに文句言われる必要は……あるとしたら引用元の人たちだろうと。そのときにはばっさり削除するしかないと思ってます。ごめんなさい。今回は、漫画のみのおはなし。
ある意味どうでもいいことや、役立つかどうかもわからないような中身を、日々脳内から適当に垂れ流しまくりつつ、今日をなんとか生き存えることを思案してます。
2010/08/06
今回は、漫画のみのおはなし。
青が雑誌、そして黄色が単行本(コミックス)です。
近年言われている通り、雑誌は売上が落ち、単行本のほうが売上的には良くなってます。ただしいずれも、ここ数年だけでいえば右肩下がりな傾向にあります。
人気の雑誌連載は必ずコミックスとして出るわけなので、特定の作品を待てる人は別に雑誌を買う必要は確かになかったりします。もっとも、マイナーな雑誌の場合は、雑誌自体を買い続けないと連載自体が終わってしまうので、むしろ大部数の雑誌ほど厳しい傾向があるだろう、という可能性が高いです。
あともうひとつ、雑誌の傾向は1995年をピークに前年を上回ることはない右肩下がり状態ではありますが、コミックスはそうではない。グラフパターンこそ異なるものの、やはり、書籍全般と同様の傾向である、という点。コンテンツの中身次第でどうにでもなる可能性がある、ということを示唆している、ともいえます。
それに対して、電子書籍……もとい、電子コミックの売上を考慮したらどうなるか、というグラフが以下。
電子コミックは雑誌的な物も含むかもしれませんが、ここではコミックスと同等の扱いとして、紙ベースのそちらに対して上積みした形にしています。
これで見ると、2009年は下がってしまってますが、2006~2008年の紙によるコミックス売上下落分を補完し、なおかつトータルでは前年の売上を超えています。
また2009年の売上数値を確認できなかったので、これは推測値にしています(2008年は電子書籍全体に対し、携帯の売上が82%、PCが33%という数値をもとに、携帯85%、PC30%で予測立てたもの)。この予測値が大幅に異なるとは考えてはいないので、たぶん2009年は結果として2008年の売上を上回ってはいないものの、かなり健闘しているだろう、という推測は可能なはず。
またもうひとつ、電子コミックの割合は、漫画市場の売り上げに対して、およそ9.9%、つまり1割程度を占めている。この数値は小さくありません。
たぶん、牽引しているのはエロです。店頭で買いづらいものを誰にも気づかれずに買いやすいこと、そして性別問わずに買えること、いう点は大きい。電子書籍の販売においても既に分析されていることから、少なくとも去年まではそうだった。そしてこれからもその可能性は当面の間は非常に高いだろう、という推測ができます。
VHS然り、DVD然り、そしてパソコン然り、日本に置ける最新電気/電子機器の普及はエロなくしてありなかった、ともいえます。それは電子書籍においても同様でした。まさにエロ万歳。
それを考えると、Appleのデバイスじゃ正直盛り上がるかっていうと微妙って気がするんですけどどうでしょうかね。どの程度売れるかむちゃくちゃ未知数すぎる。
あともうひとつ、紙も含めて、コミックスとしてはこれからも比較的高い売上を維持していく可能性はあります。ただ雑誌は低迷し、ついでに電子コミックも多少下がる傾向にあるかもしれません。
大手や中堅をはじめとするところは、連載の枠をWebや携帯コンテンツとして求めています。しかも、読者に対する閲覧はタダないし格安(携帯等)で。PCからのというと、たとえばこことかこことか。中堅あたりでも早いところでは2007年くらいからこの形態による配信を開始していて、去年~今年くらいにかけて、実際にそれらの連載が紙ベースのコミックスになっていたりします。
Web掲載(連載時)の作家さんへの原稿料については情報を得ていないので確認できませんが、たぶん個々での契約になっているだろうと推測します(そこそこの作家さん以上と、それ以下の人ではかなり違うだろうと思われるけれども、まあ外には出にくい情報でしょう。守秘義務の契約のうちでしょうし。
ともあれ、そういう意味では漫画業界のほうがある意味一歩も二歩も先を行っているのは間違いないんですけれども、それを普通の書籍と同様に考えていいのか、というと、また別なんじゃないかと思ったりします。
つづく。
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