てことで順を追って、アンカーオブジェクトの基本操作から説明します。
InDesignではCS2以降に、「アンカー付きオブジェクト」という、特定のテキスト部分に関連づけて連動した図版を配置するための機能が備わっています。もちろん、現在最新であるCS6でも機能を持ってます。
下記ではInDesign CS4で正方形のグラフィックフレームを配置した例。

ただしかし問題があって、アンカー付きオブジェクトもオブジェクトには違いないので、マウス選択+ドラッグにより、位置が動いてしまう。直感的に配置したい場合はさておき、動かしたくない場合には操作できることには困ってしまいます。

そこで利用するのがロック機能。ロックには2種類あり、他のオブジェクトと同じ「ロック」と、アンカー付きオブジェクトのみ、オプション設定を表示したときに利用できる「手動配置を防ぐ」設定。

これを使えば、マウスで選択してもロック状態になり、ドラッグしても動かなくなる状態に。CS4まではカーソル形状がカギ状になりました。

しかし、CS5以降はこの動作が変更になり、「手動配置を防ぐ」をONにした場合には直接選択できなくなりました。その代わりに、アンカー付きオブジェクト自体に小さなロックアイコンが表示されるように。これは他のロックオブジェクトとも同様だったりしますが。

もし選択してドラッグした場合、アンカー付きオブジェクトは移動されず、親となるテキストフレームやフレームグリッド側が(ロックされていなければ)動くことになります。
でまあ、ここまでは前置きです、ええ前置き。えらく長いけど基本動作の説明が必要だと思ったので。
CS4までは、アンカー付きオブジェクトのロックを解除するには、該当のオブジェクトを選択して「ロック解除」するか、オプションで「手動配置を防ぐ」のチェックをOFFにする方法によって対応できました。
CS5では、このアイコンにマウスカーソルを当てると、解除を示すカーソル形状に変わり、その状態でクリックするだけで、簡単にロック解除できます。

そうすることで再度マウスで選択できるようになるんです、が……それでアンカー付きオブジェクトのオプション画面を出すと……

……「手動配置を防ぐ」のチェックが残ってます。なんだこれ。
これがこの問題で、マウスクリックで解除した場合はこのフラグが内部にも残ったままになってしまうという……。
ちなみに条件があって、「手動配置を防ぐ」でONにし、かつ、マウスクリックによりOFFにした場合のみ。「ロック」メニューを使った場合にはこの問題は発生しません。
で、このことをtwitterでリアルタイムに騒ぎ立ててた甲斐があって(いやよくないなごめんなさい)、流星光輝さんが内部フラグについて確認してくれました。
……てことでCS4でも内部的にはフラグが残ったままっぽいです。つまりおそらくですが、CS2以降全滅の可能性が高いシロモノ、という……。
えと、こんなオチは見たくなかったんですが。目に見える問題だけでいえばCS5以降のオプションチェック状態が矛盾することだけだし、一見実害も少なそうに見えるような気もするんですが、この状態が残ったままだと今後のバージョンで開いたときにどうなるかが分からないのが怖い、なあ……。
ともあれ、誰かこの情報、日本語サイトでもUSでもいいので、公式に出てるかご存じでしたら教えていただければ是非とも。なければ不具合報告するしかないので、その際にはこの記事自体で報告するしかないだろうなあ……。
■朝あたり:オチを基準に微妙にタイトル変更をかけます(当初オチを想定していなかったので)。
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