2016/04/06
InDesignの組版処理は「原則として」Unicodeに依存
InDesignの基礎的な組版処理方法の再確認というか、そんな感じの内容です。基本的な挙動としては「原則としては」Unicodeに依存しているという点での、情報の再確認というかそんな感じ。
ある意味どうでもいいことや、役立つかどうかもわからないような中身を、日々脳内から適当に垂れ流しまくりつつ、今日をなんとか生き存えることを思案してます。
2016/04/06
基本的な挙動としては「原則としては」Unicodeに依存しているという点での、情報の再確認というかそんな感じ。
また、今回確認に使用したのは、InDesign CC 2015.3(11.3.0.34 x64)で、「CIDベースの文字組みを使用」にはチェックが入った状態です。
まず、下記の画像を例に出します。
左と右で結果が異なります。
また下にある画像は左右とも、見た目からして異なっています。まあこれはある意味当然なんですが。
まず上下の違いですが、上は左右とも等幅半角字形のもの。下は、左が所謂全角数字(u+FF10-FF19)、右がプロポーショナル数字(u+0030-0039)です。
そして上の等幅半角字形は、いずれも下のテキストから、字形パネルを使い、サブメニュー→等幅半角字形(hwid)を適用したもの。
結果として、左側の全角数字ベースの場合は行末・行頭で分割されますが、右のプロポーショナル数字ベースでは分割されない結果になります。
次に、かぎ括弧。
上と下で結果が異なります。
上については、通常の全角かぎ括弧(u+300C/300D)に対して、字形パネルを使用して小かぎにしたもの。CIDとしては12123/12124がそれに該当します。
下も同様ではありますが、閉じ側の禁則が外れてしまっています。
これについては、段落の禁則処理をカスタマイズして、行頭禁則文字から閉じのかぎ括弧(u+300D)を外しただけの状態です。
禁則処理においてはCIDそのもののの登録はできないですが、CID:12123/12124は、字形パネルのポップアップで確認すると、Unicodeとしてはu+300C/300D、異体字情報(feature tags)としては「すべての異体字,4 (aalt)」です。この場合はUnicodeの情報として処理されていて、禁則処理と連動していると考えるのが自然でしょう。
では最後に。
左上はCID:09872-09881、右上はCID:11148-11173(の一部)を使用。
ちょっとここは変則的に、右から説明します。
CID:11148-11173については、おそらく通常は連続して並べることは少ないと思います。が、連続させた場合、かつ、行末・行頭にかかる場合、分割禁止の挙動になります。
これら文字群についても、Unicodeとしてはu+0061-007Aで、それに対して異体字情報として「修飾字形,5(nalt)」であるため、Unicode的には基本ラテンと同じ扱い。なので挙動としては一般的な欧文と同様です。ただし「CIDベースの文字組みを使用」の影響を受けるようで、文字組みアキ量設定の和欧間のアキの処理は行われません。
そして左上のCID:09872-09881について。
これ、字形的なことだけで言えば、「全角取り二分幅数字」になり、本来の扱いだけでいえば全角数字(CID:780-789、u+FF10-FF19)の異体字に相当すると考えるのが自然だと思っています。字形の比較だけでいえば、ゴシック(特に新ゴとか)で、等幅二分字形と比較するとわかりやすいです。写植のときには全角数字にも複数の種類があり、そのバリエーション的な内容だと考えています。
しかし、これを並べたときについては、やはり行末・行頭では分割されない状態になります。なので上の行は行頭・行末揃えによって字間が割れていて、数字部分は次の行に追い出された状態になっています。
これらについては、Unicodeとしてはu+2080-2089で、異体字情報は「すべての異体字,18(aalt)」になっています。u+2080-2089については、SUBSCRIPT、いわゆる下付き用の数字なので、プロポーショナル数字と同様の挙動としてこのような状態になっているのではないかと。
これについては「CIDベースの文字組みを使用」のチェックがあっても、字形に対して期待される動作でないということになるため、扱いとしては注意が必要になります。
ともあれ、利用されている各文字に対して、どのような情報によって組版処理が引き起こされるのか、という点を考慮しておいたほうが無難であろうというのがここでのお話です、はい。
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