まずはサンプルの用意から。
今回、例文として用意したものは下記です。作成したのはInDesign CS3。
文章は思い付きで考えたむちゃくちゃ適当な、意味はまったくないものです。
設定自体は、InDesignのアプリケーションデフォルト設定とまったく同じ。フレームグリッドの設定もデフォルト値なので、小塚明朝 Pro R/13Q/行間9.75Hの状態。あとについても一切触ってないので、禁則も強いまま、文字組アキ量設定は行末約物半角、禁則調整は追い込み優先、連数字処理はON、などなどの状態。
違いはスクリーンショット内に書いてある通りですが、上が段落コンポーザーの設定で、下が単数行コンポーザーにしたもの。もちろん、この2点については結果が異なるのはある意味当然だったりします。
これをCS6以降で開き、ストーリーの再計算(Windows:Ctrl+Alt+/、Mac:Command+Option+/)を行わせると……。
単数行コンポーザー側が、見た目的にはまるっと1行分減るという状態になります。
結果として見ると、もともと5行目冒頭にあった「99・」の部分が追い込まれてしまう、という状態になっています。
実はこれ、一番影響しているのは「連数字処理はON」という点だったりするという……。
なのでOFFにすると下記の結果です。
もともと、連数字処理はONについては、ざっと書くと「全角アラビア数字や漢数字などの特定の文字群が連続している場合に行末・行頭で分割禁止にする」動きと同時に、「さらに中黒や読点類が中にある場合には自動的に前後や後のアキを0%にする」、という処理です。ONとOFFでの結果については下記を参照していただければ。
なので、中黒や句読点類の前や後の文字が該当以外の文字群の状態であれば、そもそも有効にならないはず……なんですが、なぜかCS6以降は行末・行頭にさしかかる状態の場合はその影響が生じる模様、という……。
なんか不具合のような気がしないでもないんですが、果たしてどう考えるべきなのか、正直わからないところ。
まあ、連数字処理による分割禁止になる動き自体の問題もあるのでこれを使うべきではない、という話も出てくるわけですが、しかし自動的にアキ量0%になる動きはそれなりに魅力なわけで、しかしこの結果を見ると使うのはどうかって話にもつながってしまうわけで……。
ともあれ、気を付けたいところです、はい。
この件、検証には@monokanoさんと@rrrdtpさんにもご協力いただきましたので謝辞を。もっとも1か月ほど前に確認してもらったものを今更上げる結果になってしまったわけですが。
補足:このデータ状態、Mac版のCS6で処理させると、組版結果がその都度変わるという問題があったりします。一旦この状態で組んで、ストーリーの再計算を繰り返すと、ころころ結果が変わるという……。
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