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自分めも:InDesignのオーバープリントプレビューは実はちょっとめんどくさい

InDesignのオーバープリントプレビュー、改めて弄ってたら、きちんと使うには結構設定がめんどくさいなあ……とということがありまして、自分の備忘録代わりにその辺を取りまとめしてみることに。


まあ要点押さえれば済む話ですが、環境設定のデフォルトが大いに影響するところでもあり、まあこれは初期化の時には見直し必須ってところも含めて、書いといたほうが忘れないなと思いまして。

まずは適当なサンプルを用意しましてですね。
関連しそうなパネルもいくつか下のほうに並べてありますんで、これらが確認用に利用するものだと思ってもらえれば。


210723_InDesignOPPreview_01


オーバープリントプレビューで画面表示を確認するには、表示メニューのそれを使うか、分版プレビューパネルで「色分解」を選ぶかのいずれかで。
ちなみにここは連動してるのでどっちかでいいんですが、一番簡単なのはキーボードショートカット、次はプルダウンメニューかと。といってもパネルの存在が重要だったりするんですが。
(下記の画面は合成したものなので、当然ながら、同時に表示することはできません)


210723_InDesignOPPreview_02


で、今回のデータで切り替えた後の結果なんですが……。


210723_InDesignOPPreview_03


一番目立ってわかるのは中央の「マゼント50%」の色部分で、これは誰の指摘もなく一見して判断できるであろうという。
これは単純に、文字部分にオーバープリントを設定しているからで、個別設定していれば確実にこうなります、という例。
これ自体は該当部分を選んだうえで、プリント属性パネルできっちりチェックすればわかるところだったりするけど、逆にプリント属性パネルでチェックが必須とも。まあそういうチェックを個別にしないようにするためのオーバープリントプレビューだとも思いますが。


210723_InDesignOPPreview_04


じゃあ他は、というところでここからが問題。
上下の黒文字部分がどう見ても変わってる様子がないと思いませんか? ええ思いませんかとも。
これ、実際に全く変わってなかったりします。


そしてここが実は罠。
これは昔からの環境設定としてのデフォルト状態としての問題で、そのまんまじゃまともにオーバープリントプレビューに反映されない、っていう問題があるわけで……。
なのでInDesignの利用としてのお約束として、環境設定にある「黒の表示方法」を必ず「すべての黒を正確に出力」に変更をしておかなきゃならない……のは、どうにかならんもんかなあと思うのと同時に、なんでそもそもこの設定があるんだろうという疑問がいつもあるわけですが。Illustratorにもこれがあったりするけど、なんでこんな設定つけたし……。


210723_InDesignOPPreview_05
210723_InDesignOPPreview_06
210723_InDesignOPPreview_07


さて環境設定を変えた結果としてどうなるか……というと。


210723_InDesignOPPreview_08


おわかりいただけただろうか。

……ああ、わかりづらいですよね。じゃあ拡大を。


210723_InDesignOPPreview_09


これでもディスプレイ次第では見えない気がするけれども。
ともあれ、画像だけ別途保存して、拡大表示してもらうとか、Photoshopで数値としての濃度確認するとかであればわかるはず。
この場合はちゃんと境界で色が変化している、ということが。
なので、単純にオーバープリントプレビューだけではなく、環境設定の変更も確実にしないことには、黒については意図する結果にはならないよ、というのがここでの話だったりします。


といっても、人によっては「これで気づくわけないだろ」ってこともあるとは思うんですよ。なのでもっと表示として改善できないのって思う人も多いだろうというわけで。

もし、もっと濃度差を出して表示させたい、とした場合、これは実は、分版プレビューのほうで解決が図れるようになってたりします。


210723_InDesignOPPreview_10


最初のほうで「パネルの存在が重要」って書きましたが、重要な理由はここにあり。
パネルのサブメニューのほうには「リッチブラックをシミュレート」という項目が用意されていて、これによっても実は表示が変わるようになってたりするわけです。
これで設定を変更した結果を見てみると……。


210723_InDesignOPPreview_11


黒表示が薄くなりました。
でもオーバープリント部分は設定変更前より見やすくなってるという。

この場合のシミュレートは、動作結果より、「スミインキの表示濃度をより浅くして、インキの透過や濃度について、より正確にシミュレートするもの」として考えていいところではないかと。
実際、スミインキってあんまり濃いわけじゃないし……(なもんで、利用シーンによってリッチブラックを適正にコントロールしての表現対応が求められるわけで)。



さてもうひとつまだ残されているものが。
何かっていうと一番下の「カスタムK100%」の部分で、じゃあこれどうなってんだって話になるわけです。

まあこれも、範囲選択しての結果を見るほうがいいわけです。


210723_InDesignOPPreview_12


ここについて、スウォッチが「[黒]」ではなく、「C=0 M=0 Y=0 K=100」が利用されているということが、スウォッチパネルの状態からわかるという話に。
そのうえでプリント属性のほうでも、塗りオーバープリントはOFF、ということに。
どういうことかというと、ここもやはり環境設定に関わる話で……。


210723_InDesignOPPreview_13


もともと、デフォルト登録のスウォッチであり、削除すらできない特殊なスウォッチ「[黒]」の存在が関わってくるわけで。
これについては環境設定として、濃度を変更しない100%のままであれば、自動的にオーバープリント扱いになるという設定になっている、のがデフォルト。
なので、一番下のが変な動き、ではなく、一番上のものが特殊な動き、という方が正しかったりするわけです。

そしてこの設定をOFFにすると……。


210723_InDesignOPPreview_14
210723_InDesignOPPreview_15


一番上のオーバープリントについても結果としてなくなってしまう、ということになるわけで。



ということでオーバープリントプレビュー(と、オーバープリントそのもの)については、いろんな設定が複雑怪奇に絡み合ってるものなので、気を付けましょうということに。
デフォルト設定で一発でわかりやすい設定になっていないので、この辺、デフォルト設定の変更を必ず見直したり、オーバープリントプレビューをONにするだけではない追加の設定も考えつつ、上手にオーバープリントのチェックとコントロールをすることが、データ作成者に対して求められる話でしょう……というところをオチにしたいです、はい。



ちなみのこの場合のデータ作成者は、完成を10割とし、データ進捗状況的に6~7割以上までの作成を手掛ける人全員が対象ですけれども。
そこまでの間にコントロールできてなきゃ出力・印刷でトラブるなんてこともあるわけなので。

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