まず今回の件でいえば、ちょっと厄介なのが下記。
- Readerについては環境によって自動的に64bit版にすげかえられる(られた)
- 現状で新規ダウンロードを何も考えずに行うと64bit版になる
- 製品版Acrobat DC サブスクリプションもReaderと同じインストーラーになった
- Creative Cloud経由のAcrobat DCはまだ32bitのみ入手扱いだけどReader経由で64bit版が使える
なもんで、環境によっては勝手に64bit版にはなってるし、逆にReaderでは意図して32bit版にするには特定操作しなきゃならないし、製品版で逆に64bit版を狙うなら手作業インストールしなきゃならないというですね……厄介。
ともあれ、実際に入手およびインストールなどの説明を。
普通にAcrobat Readerのダウンロードサイトに行きますと、「Acrobat Readerをダウンロード」「Acrobat Pro 体験版をダウンロード」っていうボタンと、あとMcAfeeのふたつのアプリを同梱するかのチェックがあるんですが、チェックはともかく、ダウンロードについてはどちらも同じ、Readerのダウンロードになる(ファイル名が「readerdc64」から始まるネットワークインストーラーがダウンロードされる)という状態です。ここからしてややこしい。
もしReader DCの32bit版を必要とする場合は、最初のページのところでいきなりそれぞれのボタンを押すのではなく、「別の言語版または別のオペレーティングシステムをお持ちですか?」の部分をクリックしないといけません。
わかってる人ならまずこれやるだろうけど、普通はここだってわかることはないだろうなあ……。
そうすると、画面が切り替わって、左下に手順1・2・3が出てくるので、ここでOSバージョン、言語を選び、さらにバージョンを選択のところを見ると、64bit版とは別に、それが書いてない選択肢が出てきたりしますので、これが32bit版だったりします。
何かの理由で当面は32bit版が必須ってことであれば、ここから入手しましょう、ということになります。
この場合の理由としては大きく二つで「互換性」と「管理」の問題。互換性については何かのプラグインなどの利用で32bit版しかまだないなどで、もし64bit版にするならそのプラグインの対応がないと駄目なわけで。管理については、上記の箇条書き3番目が理由で、Windowsのインストール済みプログラムの認識としては、Readerの状態でも「Adobe Acrobat DC(64-bit)」と表示されるようになってしまったので、企業組織などで外部の管理ツールでソフトウェアライセンスのチェックしてる場合には区別できなくなったためだったりします。これ、結構困るところ多い気がするんだけどなあ……。
さて64bit版のほうに話を戻しまして。
ともあれインストールしましょうしましょう。落としたインストーラーダブルクリックするだけで問題はないです。
ただし、すでにAcrobatやReader入れてる場合は入らないっぽいので、あらかじめ全部アンインストールしておいてください。
インストールしたら起動するわけですが、最初はReaderとしてしかインストールはされない状態です。なのでおなじみの「Acrobat Reader DCにようこそ」が表示されます。
ただ、Creative CloudのほうでAdobe IDですでにログインしている状態だと、どうもそれをすぐに認識するらしく、別の画面が出てアップグレードを促されます。
アップグレードボタンをぽちっとすると、そこでまたダウンロードのプログレスバーが出てしばらくまたされるという……一発で全部インストールされるってわけじゃないのか、と。ともあれ終わるまでしばらく待つことに。
それが終わるとようやくAcrobat DC 64bitの製品版として使えるようになります。
Proであれば「Acrobat DC Proへようこそ」と出てきます。たぶんStandardだとここの表記が違って機能も違う気がしますけど。
ウィンドウ左上のところに64-bitって書いてあるので64bit版だと思いますし、ヘルプ経由でバージョン確認しても、やっぱり64ビットとか書いてあります。
まあ一番いいのはタスクマネージャーでの確認なんですが。そっちに32ビットとか表記がなければ64bit版なので。AcroTrayはなんか知らないが32ビットになってるなこのスクリーンショット……。
ということでこれでメモリ制約のなくなって快適になりそうな64bit版だと思うわけなんですが、先述の通り、互換性の問題はあるわけですよ。なので必ずしもいろんな人が幸せになるかどうかは別なんで、製品版使ってるような人はその辺考えて入れましょう。
そのうえでちょっと追加として。
先述の通り、今回はCreative Cloudが入ってる状態で入れてるわけです、要はコンプリートプラン状態。
そしてこれも事前に書いているとおり、既存のAcrobatやAcrobat Reader(実はログインせずに同居させてた)をアンインストールして入れてるわけですが……Creative Cloudデスクトップアプリケーションでどうなってるかというと、Acrobat DCのインストールボタンは押せるわけです。
なので入れました。
結果、64bit版と32bit版は同居することになります。というかなりました。いいのかどうか知らんけど、サブスクとして認証できてるし、提供されるアプリであれば使えるという状態のはずなんで、ライセンス的にも大丈夫だと思うわけで。
ただしひとつネックがあって、拡張子の関連付けはあとで入れたほうが優先になってしまうので、この場合にPDFファイルをダブルクリックすると、32bit版が起動することになる点。
まあこれをどう解消するかというと……レジストリを修正しなきゃならないわけです。ああめんどくさい。
ただまあそれはそれで面倒なので、『FileTypesMan』あたりで書き換えるのが手っ取り早いだろう、という。
とりあえずこれで、デフォルト64bit版の利用とし、32bit版を使いたい場合には事前に起動しておいて利用する、という使い分けになります。
ちなみにどうも、32bit版と64bit版は同時に起動することはできない模様なので、どっちにしろ排他利用にしかできなかったりします。32bit版の製品版AcrobatとReaderはできたので(制限はあるけど)、ちょっと不便になるかと。いや同時起動するような人はふつうはいないと思うけど。
ちなみにAcrobat本体しか起動してる画面出してませんが、Distillerも64bit版が入ってきました。
動作早くなるんだろか。ならない気がしますが。
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