まず、今回使ったフォントは、インプレスの『
TrueTypeフォントパーフェクトコレクション』に収録されているものを使いました。
リンク先は改訂6版になってますが、自分が持ってるのは改訂3版なので、それを使ってたり。
今回はその中に入ってる「Amelia BT」をインストール。
まずは事前に、ひとつ前のPhotoshop Ver.22で、そのフォントを用いたデータを用意しました。バージョンもわかるように、きっちりスクリーンショットをってことで用意しましたが、最近はひとつ前のバージョンもちまちまとアップデートされまくるので、スクショのバージョンもVer.22としては現時点での最新である、22.5.9になってますけど。
このデータ自体を新規で作ったので当たり前ですが、当然、文字パネルのフォントメニューではきっちり認識してます。アイコンも、Type1を示す「a」マーク。
まずは仕込みはここまでで、では次はPhotoshop Ver.23のほう。
これも現時点の最新である、Ver.23.5.0での確認をしますよ。
とりあえず先ほど作ったファイルを開いてみると……おや、普通に開く。
しかし何かがおかしい、どこかがおかしい。違和感がある……。
気づいた人はすでに気づいてますが、おかしいのはレイヤーパネルです。
警告マークついてるじゃありませんか。
そのうえでテキスト編集を行おうとすると……。
「このテキストレイヤーの次のフォントが環境にありません」と出て、該当のフォント名を出しながら、フォントを置き換えろというメッセージが。
ここで「管理」ボタンを押すと、下記のような結果になります。
「環境にないフォントの管理」というダイアログが表示されたうえで、(今回ひとつしかないですが)一つ一つのフォントを手作業で置き換えるようにすることができる状態に。
なので、もし意図するOpenType版のフォントに置き換える場合は、これを使うのが妥当かな、と。
ただ、このダイアログにある「管理にないフォントをすべてデフォルトのフォントに置き換える」や、その前のダイアログにある「置換」ボタンを押すと、デフォルトフォントに自動置き換えになるので、とりあえず置き換わればいいやってくらいなら、それでもいいかと。
もちろん、文字パネルのフォントメニューには当然、該当フォントは出てこずの状態に。
同じPCできっちりシステムフォルダにはフォントが残ったままなので、Photoshop自体でもう弾いちゃってる、ということになってしまう。
……とまあ、先行でサポート終了したPhotoshopでは、開いた後の表示だけはどうも維持されるようではあるけど(フォントを抜いても一応ラスタライズ状態では字形の見掛け維持してるっぽい)、少しでも触ろうとすると、もう手の打ちようがないので、結局は「認識しない場合には一律置き換えするか、元の環境で調整含めて変更しておく」ってことしかなさそうな状態に。
もちろん、元の環境、せめてVer.22がある状態でやっておくことが前提ですが、次のバージョンが出たらVer.22も再インストールもできなくなり、それ自体がかなわなくなるので、実質的に一律置き換えしか選択肢はないんだろうなあ、と。
まあ、Photoshopが先行終了しててもそれほど騒がれてるようには見えないんですが、それは当然で、もともとPhotoshopでそこまでテキスト処理するような人はいないから、なんだと思います。
なので、テキストをがっつり扱うような、InDesignやIllustratorの場合、同じようなことになったら、わかってなければおそらくパニックになりうるんじゃないかなって思ったり思わなかったり。
もっとも、InDesignはひとつ前のVer.16からType1利用しているドキュメントを開くことで警告出るようになってるし、Illustratorは先日リリースされたVer.26.5で警告出すようになったので、これが出た時点でさっさと置き換えよう、くらいしかないはずで、無視すること自体が個人的には「ありえないわあ」と思いますです、はい。
(といっても、Illustratorのほうは警告を出すバージョンがギリギリすぎるだろって思うんですけど。せめてVer.26の最初からやっとけばよかったのになあ……)
まあ、これからすると、どのアプリケーションでもフォントメニュー自体でType1フォント自体が一切合切無視されることになるだろうってのはまず明白なわけなので、今からでもいいから対策は備えておきましょう、ということで。
といっても、この問題自体の大本の根っこでいえば、実質的には2007年時点から始まってたので、対策としては本来はそこからやっとかなきゃいけなかったわけですけどねえ。
関連: レガシーであるType1をいつまで引っ張ればいいのか、という話
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