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Acrobat ProのプリフライトでType1フォントの確認を行う

Type1フォントがもう使えなくなるよ、っていう話は過去にさんざんやってはいますけれども。

ネイティブデータについては、現状の2023/2022あたりの警告が出るようなアプリケーションで開く分には簡単にチェックできるうえで、今後認識不能になった場合もフォントの検索と置換周りで処理はできるだろうとは思うものの、既存のPDFについてはどのようにチェックするべき、として、プリフライト使うのがとりあえずいいじゃろっていう話が今回の件。

まず、かなりシンプルな確認方法をひとつ。
何かというと、文書のプロパティを開いて、フォントタブでType1の種類を持つものを確認すること。


221229_AcrobatType1Check_01

この方法だと「Acrobat Proは不要で、Readerでもチェックができる」というメリットがある反面、「どのページに含まれているかはわからない」「フォント数が多い場合にはリストアップに時間がかかる」「目視で追わないといけない」というデメリットもある。
それもあるので、Acrobat Proのプリフライトを使ったほうがこれらのデメリットを解消できることに。



ただまあ、このチェックをプリフライトで行うためには、プリセットでは用意されていないので自分で作ることが必要。
といっても実はそう難しくもなかったりするんですが。


まずはプリフライトパネルを出しましょう。ツールで「印刷工程」を選んで、サイドパネルにある「プリフライト」を選ぶだけ。最初はちょっと開くのに時間がかかることも。


プリフライトのウィンドウが開き、最初はプロファイル一覧が表示されるんですが、ウィンドウ右上にある「オプション」をクリックし、「プロファイルを作成...」を選ぶ。


221229_AcrobatType1Check_02

「プリフライト:プロファイルを編集」というウィンドウが開くので、まずは適当に名前を付けておき、次に「フォント」の項目を選ぶと右側の表示が変わるので、「フォントの種類:」にあるType1の左側にあるアイコン部分をクリックして、警告なしから他の項目に選び、あとはOKを押す。


221229_AcrobatType1Check_03

これだけ。

これで、プロファイルの一覧に、作成したカスタムプロファイルが登録されるので、あとはチェックしたいPDFを開き、作成したプロファイルを選んで、「解析」ボタンを押すだけ。


221229_AcrobatType1Check_04

そうするとチェックが完了して、Type1フォントが存在した場合は、どのページにどのフォントがどのように利用されているかが、設定した警告マーク(エラー・警告・情報のいずれか)を元にして表示されて確認することができる状態に。


221229_AcrobatType1Check_05

これだと文書のプロパティよりも確実に、どこに何のフォントが利用されているのか明瞭にわかることになり、個別に対処する場合でもこの情報を元にすれば済むわけですよ、はい。



ちなみにこれはプリフライトのほうだけではなく、単体チェックでもほぼ同様のことができたりはします。

単体チェックで作る場合は、プリフライトウィンドウで単体チェック側に切り替えたうえで、やはりオプションのほうから新規作成を選ぶ作り方。


221229_AcrobatType1Check_06

次の画面がプリフライトとは異なり、もともと用意されているプロパティを追加していき、そのうえでどのようなチェックを行うのかの設定変更が必要になるので、この点がちょっと面倒かもしれないところ。
ちなみにフォント関連のチェックは、登録直後は「Trueでない」になっているので、Trueへの変更が必要なところ。
あと名称登録は左上にあります。
意図するプロパティを探す場合は、右上にある検索ボックスへのキーワード入力が便利。ただキーワードがヒットしない場合は、左側のグループで、どのようなチェックを行いたいかの種類から絞り込んで調べることになります。


221229_AcrobatType1Check_07

使い方はプリフライトと同じですが、結果がちょっと違って、こちらの場合はエラーのみの表示になるので、その点のコントロールはできないのがネック。


221229_AcrobatType1Check_0/



ということでプリフライトをうまく利用すれば、フォント関連のチェックは楽々になります。
ちらちら見えているとおり、他のフォント種類などでのチェックもできたりする(特に単体チェックのほうはかなり細かい種類や情報確認までできる)ので、意図するデータ状態かを詳細チェックするなら、やはりプリフライトを上手に使うことは大事かなという。

ただこのType1に関する件でいえば、ソフトによってカスタムType1として和文・欧文とも書き出すような仕組みを使ってるものがあるので、そういうのは何もかも対象になるのがネックになるかもしれないなあ、と。
もちろん、その場合は作成環境や方法に依存している話で、それ自体が駄目なのかどうかを別に判断することが必要かと。



まあ、PDFでエンベッドされているType1が出力できなくなる、という話ではないので、PDFに対してチェックすることが現状で本当に必要かどうか……というと、実はあんまりいらないとは思うんですけど、ただネイティブデータ以外でのチェック方法も知っておいた方がいいような、ってことで、まあご参考にしてもらえれば。

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