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フォントだけあっても駄目。

東大・坂村研究室、約35万文字の漢字フォントを無償公開(MYCOM PCWEB)

いわゆるGTフォントの後継というか増補版というべきか。もっとも、大幅に文字数増えてますけど。

気になるのはこのあたり。

使用中のコード体系にない文字を利用する場合は外字として独自の文字セットを作る必要があるが、最近特に問題になっているのが地方自治体の合併に伴う戸籍データベースの統合で、市町村毎に異なる外字セットを持っている場合、作業に大きな手間がかかるという。今回公開されたT書体フォントの文字セットを採用することで、外字セットの不一致の問題を解決することができる。

で、そのためのシステムが問題となるわけで。
激しくクローズドなシステム内で完結させるならいいんですが、世の中なかなかそうはいかない。unicode体系で構築するならいいんですが、この文字数だとそれ以上となるので、専用のシステムという形にならざるを得ないので、同じシステムでないとデータの流用がまったくできないという、著しく汎用性の低いものとなってしまうというオチがつきそうなんですが。
(unicode+独自のコードを付加して、類似字形についてはひとつのunicodeにまとめあげてしまうことで汎用性を持たせるという手もあるけれど、あんまり扱いやすいものとは言いがたいような)
とりあえず文章中には「ucode」という独自コードを利用するようなことが書かれていますけど、世の中はかなり昔からひとつの文字コード体系だけで動いてないことやフォントラスタライザがOSに対応しない限り、大きな普及は見込まれない気が。逆にコード体系を一切公開しないことを前提に、情報保護対応という売り方もできなくはないですが。



そういえば、独自コードといえばAdobeのCIDコードも独自コードといえばそうかも。CIDコードの割り振られた文字の中にはunicodeの範疇に属さないものもあるうえ、その処理体系を持つシステムっていうのはAdobe製品以外にはほとんどなかったり(ゼロではないけど)。
つってもCIDコード自体はオープンになってて誰もが参照できるようになってるのであまり意味がないかも。というかCIDに割り振られた文字の中には絶対使わなさそうなのもあるのがアレ。

とりあえず記事だけメモっておいたのを10分くらいで内容をでっちあげてみるてすと(ぉ
記述的に間違ってる部分とかありえるけど、そのへんは放置で(ぉ
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コメント

>フォントベンダは情報処理屋だろうと思いました。
>膨大なグリフとコードのマッピングするデータベースを持っているのはフォントベンダですからね。

でもOTFはあどびさんがすべて握ってたりするので、あどびさんが何か事を起こしたらアレです。そのへんがAJ1-4/1-5での互換性云々だったりするわけですが orz

>これって流用できないように断層を作る意味がわからないですよ?

データがあっても必ずしも流用できないケースもあったりするんです。たとえばSKコーディングされた組版データが回ってくるケースとか。最近実はそういう話が周りで囁かれまくってるので困ってたり。
そういう場合はテキストだけ使ってくれ、とかもあるんですが、実際には引っこ抜いてもコード体系が異なっててコンバート自体がきちんと行えないので、現実的には流用としては不可能とかあらかた作り直しになるなら、ある程度のミス・校正の手間などを前提にしてなにもかも作り直したほうがよかったりとか。
DTPは比較的オープンプラットフォームだからこういう話はあまりないけど、UrbanPressのデータなんか回ってきた日にはどうしようもありません。よもやJGなんか来たらどうするんだと。来ないけど。

Biblos外字はいろんな制約で、親字としてモリサワ OCF/CID フォントがないと動かない仕組みになっているわけですけれども、Mac OS X の OCF フォント非サポート・ATC フォント非サポートによって、全く同じ仕組みのママでは動かなくなっちゃったんで、きれいなモリサワフォントwをやめて<strong>やむをえず</strong> Dynafont Gaiji Museum に乗り換えなくちゃいけなくなっているので、ぷんぷんです。ていうかフォントベンダは情報処理屋だろうと思いました。膨大なグリフとコードのマッピングするデータベースを持っているのはフォントベンダですからね。

>というか新プラットフォームの組版を、以前の組版済みデータを流用するのかそうでないのかで結構話が変わってくるような気もします。

これって流用できないように断層を作る意味がわからないですよ?

ちなみに Biblos と モリサワ OpenType では、グリフの差異は確認されています。

Biblosの場合、デファクトスタンダードとはいえ、それも後の互換性などは特に考えてなかったような気がする(強いていえばIBM外字あたりは互換だっただけというような)ので、どっちもどっちかなという気がしないでもないです。
というか新プラットフォームの組版を、以前の組版済みデータを流用するのかそうでないのかで結構話が変わってくるような気もします。そもそもグリフ自体互換があるとは限らないのでどこまで保証すべきなのかって問題もあり。そういうことを言い出すとキリがないのでなおさら混乱する元になりますが(ぉ
システム作るのは情報処理屋さんですが、現場の意向に沿うのかそうでないのかで結果が変わってくるので、とか考えるといろんなしがらみが絡んでくることに気づいてきます。いや難しい。

これは必要となるスーパーセットな文字コードを振ってしまったっていう風に考えればいいんだと思います。あとは相互変換。

この手のネタで思い出すのは、TNG Project で、AJ1-4 には、Biblos 外字が 90% 含まれますので安心してください! て書いておいて、
http://www.tng-project.jp/faq/index.html#13
相互変換のツールを全く配布しなくて、結局そういうのはユーザに押しつけかよっ!ていうことです。誰がツール作るべきだったんでしょうか。

この例を見ると、少なくとも、印刷屋さん側では文字コードの相互変換は関心が薄く(業界内で起こっている問題すらベンダは無視)、実際に行うのは情報処理屋さんだっていうことだと思うんですけど。
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